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第19話 眠れない夜

Author: みだん
last update publish date: 2026-08-29 05:01:05

その夜、私は数えようとした。

寝台に横たわって、天井を見上げて、数えようとした。

――何人だったろう。

数万、とミナさんは言った。

正確な数字を、私は知らない。

前世で、そんなものを勘定した覚えがない。

落とした街の名前は覚えている。

焼いた城の位置も、季節も、天気さえ覚えている。

けれど、人の数は。

一度も、数えなかった。

数えられないなら、顔を思い出そうとした。

ひとつでいい。

誰か一人の顔を。

目を閉じた。

炎が見えた。

それはすぐに出てくる。

赤の、もっと奥にある色。

あの色は忘れようがない。

その中に、人がいたはずだ。

――誰か。

輪郭が浮かびかけて、すぐ崩れた。

もう一度、試した。

崩れた。

私は寝台の上で身体を起こした。

思い出せなかった。

一人も。

前世で、私が終わらせた人間の顔を、私は一つも覚えていない。

背中は覚えている。

逃げていく背中。

あれは風景として覚えている。

けれど顔は、ない。

――見ていなかったからだ。

私は、見ていなかった。

戦の前に敵の総数を数え、地形を測り、退路を塞ぎ、そして片づけた。

片づけるものを、一つずつ見る必要がなかった。

見ていたら仕
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